インタンジブルズやレピュテーションの悩ましさ
企業価値を考えるにあたり、近年では、インタンジブルズ(無形の資産)やレピュテーション(企業の評判)に注目が集まってきています。というのも、インタンジブルズやレピュテーションが企業価値に与える影響が無視できないものとなってきたからです。
それでは、インタンジブルズやレピュテーションはどのようにマネジメント(管理)すればいいのでしょうか。
実はこれが難問なのです。
インタンジブルズやレピュテーションのマネジメントについてモデル化できればそれに越したことはないのですが、一般的なモデルができるまでは至っていないようです。
だからこそ、学会的には注目を浴びるテーマになっています。多くの若手研究者がこのテーマに挑戦しているところです。また、実務家の間でも、ビジネスへの活用という観点から、インタンジブルズやレピュテーションのマネジメントに着目するヒトは多いように感じます。
マネジメントに際しては、こうなればそうなるという因果関係や、それを実現するためにはこれをする必要があるという目的手段関係が重要になります。これらを因果律と呼べば、マネジメントには因果律が必要となるともいえるでしょう。そもそも、これがないとマネジメントできないからです。
企業によっては、因果律を一定のパターンにはめ込むことのできる戦略マップを用いてマネジメントしている例もあります。
繰り返せば、インタンジブルズやレピュテーションのマネジメントのためには少なくとも因果律が必要であるということはいえるでしょう。
企業価値の評価は一般的によく行われています。でも、ひと皮めくれば、企業価値を左右するインタンジブルズやレピュテーションについては、現状ではどのように評価すればいいのか、実はよくわかっていません。なぜなら、(繰り返しとなりますが)これらをどうやってマネジメントしていけばいいのか、よくわかっていないからです。
このように、企業価値の評価は、実はひと皮むけば悩ましい問題が山積みとなっているのです。