Papers

主な論文

<単著>

大西淳也(2023)「財務省国税庁における行政管理会計の展開」『東京大学公共政策大学院ディスカションペーパーシリーズ』J-23(002)

本稿は、分量が厳しく制限されていたことから、詰め込み過ぎた感のあった大西淳也(2022)「行政管理会計:財務省国税庁におけるケーススタディ」について、文意がわかりやすいように補足し書き加えたものである。本来であればさらに分割して構成すべきであったかもしれないが、そこについては他日に期したい。📄(PDF)

大西淳也(2023)「DX等の下でのBPRの進め方についての考察」『東京大学公共政策大学院ディスカションペーパーシリーズ』J-23(001)

行政組織においてBPRは重要だが、その進め方はプロセスの抜本的な見直しから考えるべきか、それとも現場からの改善提案から考えるべきか。本稿ではこれを3つの論点から考察する。📄(PDF)

大西淳也(2022)「行政管理会計:財務省国税庁におけるケーススタディ」

本稿は、財務省の外局である国税庁における管理会計実践に関するケーススタディである。戦後の混乱期に創設された国税庁では、米国内国歳入庁の影響を受けつつ、事務量把握、事務改善提案及び税務書類の統一化等(のちのICTの活用)のいわゆる「三種の神器」による事務運営が創設後の早い時期から開始された。これらを前提に、2000年前後には活動基準原価計算(ABC)を始めとする管理会計実践が試行された。また、2014年以降には広島国税局を先頭に管理会計実践が大規模に取り組まれ、大きな成果が得られた。本稿ではこれらを振り返るとともに、そこからの発見事項と今後の課題について述べる。

なお、本稿は、拙著『公的組織の管理会計』(2010年)以降、拙編著『行政管理会計の基礎と実践』(2020年)に至る一連の書籍や、2021年の論稿(拙著「国税組織における事務改善活動と事務量把握の起源について」)、2022年の論稿(拙著「Public Management Accounting in Japan」)等を踏まえ、2022年9月の日本原価計算研究学会全国大会における学会報告を経てまとめたものである。このたび同学会のご了解をいただいたので、学会誌投稿前の論稿をWorking Paperとして当HPに掲載するものである。📄(PDF)

Junya Ohnishi(2022)Public Management Accounting in Japan: Case Study of the National Tax Agency in the Ministry of Finance, Center on Japanese Economy and Business Working Papers 383, Graduate School of Business, Columbia University.

「日本における行政管理会計:財務省国税庁におけるケーススタディ」
マネジメントの世界ではTPS(トヨタ生産方式)や原価企画などのいわゆる日本的管理会計が有名である。この発展の背景には、過去のわが国企業をめぐる過小資本という厳しい制約条件が存在した。現在、わが国の政府部門は膨大な債務と巨額の赤字に苦しんでおり、今後長期にわたり予算上の厳しい制約条件が課されることになる。このため、効率的・効果的な行政運営の実現が求められており、ここにいわゆる日本的管理会計のユニークな取り組みを活用していく可能性が導き出される。
この論文では、国税庁に焦点を当て行政管理会計の実践について述べる。戦後創設された国税庁では、米国内国歳入庁(IRS)の影響を受けつつ、創設後の間もない時期に、事務量把握・事務改善活動・書類の統一化及び簡素化(のちのICT化)を三種の神器とする事務運営が構築された。そして、これらは管理会計手法と密接な関係を有していることに言及する。最後に、国税庁における管理会計実践を通じた発見事項と行政管理会計の今後の課題についてまとめる。📄Link

Junya Ohnishi(2022)The Role of Management Accounting in Stakeholder Theory, Center on Japanese Economy and Business Working Papers 382, Graduate School of Business, Columbia University.

「ステークホルダー理論における管理会計の役割」
企業活動において収益性は、財務指標を通じて明示的ないし黙示的な形で組織のガバナンスやマネジメントに効果的に働きかける。シェアホルダー理論では財務指標で表現される収益性は最大限に活用されている。これに対して、ステークホルダー理論においてはどうであろうか。この論文では、収益性に加えて、戦略と対話の重要性を指摘する。そして、収益性では把握され得ない公共部門においては、戦略と対話がより致命的に重要な課題となることに言及する。
この論文では、コーポレートガバナンスにおけるステークホルダー理論に関して、わが国管理会計の展開を参照しつつ、管理会計の役割を検討する。そして、そのアナロジーから公共部門についても検討を加える。📄Link

大西淳也(2021)「国税組織における事務改善提案と事務量把握の起源について」『財務総合政策研究所リサーチペーパー』1

戦後混乱期の1949年に創設された国税庁は当時、非能率に悩まされ納税者の信頼も得られない中で、その解決策として効率を重視した事務運営に積極的に取り組んだ。内部事務の合理化・税務調査等の外部事務の拡充というシャウプ勧告の指摘を受け、1950年から事務改善提案が、その数年後には事務量把握が行われた。これらは現代の管理会計論からみても十分に合理的であり、現在でもこの基本動作の徹底が求められている。📄(PDF)

大西淳也(2020)「EBPMと行政管理会計についての論点の整理」『財務総合政策研究所ディスカッションペーパー』17

わが国のEBPMはロジック・モデルとエビデンスによる因果関係の証明にポイント。行政管理会計にもロジック・モデルがあることから、両者の関係を考察。本稿の補論において行政管理会計の概要を簡潔に紹介。📄(PDF)

大西淳也(2018)「目標達成活動についての論点の整理」『財務総合政策研究所ディスカッションペーパー』8

戦略レベルと業務レベルの各目標を連鎖させ整合的にまとめていく観点から各手法の目次的な整理を行う。📄(PDF)

大西淳也(2018)「管理会計を行政に拡張する場合の課題」(事例報告)『管理会計学』26(1),pp.119-133

行政には①収益と費用を認識できる外環部、②収益は認識しにくいが費用は認識できる内環部(執行部局)、③収益も費用も認識しにくい中心部(企画立案)があり、各手法にはそれぞれに適した射程がある。行政への拡張には管理会計研究者と行政実務家等との交流が、今後の推進力には議員やマスコミが期待される。📄(PDF)

大西淳也(2011)「公的組織のレピュテーションの管理」『企業会計』63(2),pp.259-264

大西(2008)を修正し、掲載。

大西淳也(2010)「公的組織における管理会計手法等の導入にかかる論点の整理」『財務総合政策研究所ディスカッションペーパー』11

行政の執行部局等において管理会計手法等を導入する場合の論点を考察し、仮説として提示したもの。📄(PDF)

大西淳也(2010)「企業における管理会計の展開と現況」『信州大学経済学論集』61, pp.61₋89

企業の管理会計について、主導してきた米国、その影響を受けつつそれぞれに発展させてきた英独仏、そしてわが国とその展開を概観し、若干の考察を行う。本稿を加筆修正し、博士論文(大西,2010)第1章に挿入。📄(PDF)

大西淳也(2010)「公的組織における管理会計の展開と現況」『信州大学経済学論集』61,pp.35₋59

的組織の管理会計の展開等について、まず米国の展開と現況を確認し、英独仏の現況を概観。わが国の公的組織の管理会計的な展開を概観し,若干の考察。本稿を加筆修正し、博士論文(大西,2010)第2章に挿入。📄(PDF)

大西淳也(2010)「公的組織の人的資源の管理と管理会計」『信州大学経済学論集』61,pp.1₋33

公的組織の労働集約的な業務のマネジメントと管理会計を概観し、責任会計や業務の標準、活動基準管理、バランスト・スコアカード等について検討。本稿を加筆修正し、博士論文(大西,2010)第4章に挿入。📄(PDF)

大西淳也(2009)「信州大学医学部附属病院の経営について(その1)」(研究ノート)『信州大学経済学論集』60, pp.69₋110

信州大学病院のアクションリサーチ案として作成。本稿を加筆修正し、博士論文(大西,2010)第8章に挿入。📄(PDF)

大西淳也(2009)「管理会計の行政への活用にあたっての考察」『信州大学経済学論集』60,pp.1₋23

管理会計論のうち管理会計手法論以外についての先行研究を整理。管理会計手法論の検討に先立つ、準備的作業との位置付け。本稿は分解して博士論文(大西,2010)の随所に挿入。📄(PDF)

大西淳也(2009)「公的組織と管理会計-管理会計手法の活用に向けた論点の整理」『財務総合政策研究所ディスカッションペーパー』5

信州大学時代の作成した論稿について、整理のため、とりあえず1つにまとめたもの。200ページ近い論稿。📄(PDF)

大西淳也(2008)「デンマークの病院経営改革とリーン・マネジメント-トヨタ生産方式の変質とその位置づけ-『信州大学経済学論集』58,pp.1-23

大西(2007)に加筆修正した論稿。本稿を加筆修正し、博士論文(大西,2010)第7章に挿入。📄(PDF)

大西淳也(2008)「管理会計のレピュテーション・マネジメントと行政の信頼性」『信州大学経済学論集』59,pp.17-38

ブランド等との違いを踏まえ議論を整理し、行政と信頼との関係について概観した上で、行政の信頼性(信頼をされる側の特性)と管理会計との関係を検討。本稿を加筆修正し、博士論文(大西,2010)第3章に挿入。📄(PDF)

大西淳也(2007)「デンマークにおける病院経営の漸進的改革ーリーン・マネジメント(トヨタ生産方式)の展開を中心に」『財務総合政策研究所ディスカッションペーパー』7

コペンハーゲン駐在時代にデンマークの病院で流行していたリーンマネジメント(業務の流れに着目する手法)について、赴任中に資料を収集し、帰国後に論稿としてまとめたもの。📄(PDF)

大西淳也(2003)「(特集 政府の構造改革)管理会計のコスト管理手法(ABC)で公的部門の効率化を」(特集論文)『ESP』373,pp.42-48

2000年頃の国税庁会計課時代の試行を踏まえ、次に異動した内閣府(経済財政諮問会議事務局)で関係者のご理解をいただき、管理会計手法を「骨太の方針」に挿入した際、『ESP』事務局に依頼されて作成した論稿。今から見返せば恥ずかしい限り。その後の20年近くにわたる蓄積がこのときにあればと思うことしきり。

<共著【主筆】>

大西淳也・梅田宙(2020)「予算管理論についての論点の整理」『財務総合政策研究所ディスカッションペーパー』16

最重要の方法論である予算管理に関し、政府予算と同じ思想的根拠から始まった企業の予算管理について、①資金の支出制限、②活動方針の調整、③統制・業績管理、④利益計画との協調と発展してきた経緯を確認し、行政では②~④について非財務指標を活用しつつ、いかに同じ機能を果たせるかが重要視されることに言及。📄(PDF)

竹本隆亮・小林重道・奥迫仁則・大西淳也(2020)「国税庁広島国税局における管理会計実践について」(事例報告)『管理会計学』28(2), pp.91-107

2019年8月の広島国税局OB4名による管理会計学会における学会発表(於専修大学)を踏まえた事例報告。📄(PDF)

大西淳也・梅田宙(2019)「組織間管理会計についての論点の整理」『財務総合政策研究所ディスカッションペーパー』7

企業では組織を超えた管理会計が議論され、今後行政にも及ぶ可能性が高い。そこで、組織間管理会計の議論を概観した上で、行政のどこに組織間管理会計が考えられるのか、将来検討に向けた予備的な考察を行う。📄(PDF)

大西淳也・竹本隆亮・小林重道・奥迫仁則(2019)「行政における管理会計の活用-国税庁広島国税局の実践事例とともに」『産業経理』79(3), pp.155-173

大西淳也・梅田宙(2019)「耐用年数についての論点の整理」『財務総合政策研究所ディスカッションペーパー』5

インフラ老朽化の観点からの言及が多い耐用年数について論点を整理。行政で耐用年数を考える場合、①耐用年数の正確な測定、②予防保全の明確化・要件化、③固定資産台帳等の整備がポイントとなる。📄(PDF)

大西淳也・梅田宙(2019)「プロジェクト等の経済性計算についての論点の整理」『財務総合政策研究所ディスカッションペーパー』4

NPV等のプロジェクト等の経済性計算を順次概観し、現実の意思決定下での活用のあり方に言及。ディシジョンツリーやリアルオプション等を整理し、企業の活用状況を鳥瞰。行政への展開を若干の考察を行う。📄(PDF)

大西淳也・梅田宙(2019)「RPAと事務改善活動についての論点の整理」『財務総合政策研究所ディスカッションペーパー』3

RPAを概観し、事務改善活動と比較する。そこでは標準となる事務フローと現場の気づき等の現場主導が重要となり、製造業の生産エンジニアと同様に、ホワイトカラー部門でも事務エンジニア層の育成が求められる。📄(PDF)

大西淳也・梅田宙(2018)「統合報告についての論点の整理」『財務総合政策研究所ディスカッションペーパー』11

企業での統合報告の議論を受け、統合報告に至る3つの議論の流れを鳥瞰し、現状と課題を概観した上で、その活用には情報開示と情報利用があることを指摘し、行政への展開可能性について若干の検討を行う。📄(PDF)

大西淳也・梅田宙(2018)「責任会計についての論点の整理」『財務総合政策研究所ディスカッションペーパー』1

地方公営企業の管理者に触発され、責任会計を行政に適用する際の留意点を検討。個人責任の行き過ぎた追及やノルマ主義等の弊害から、職員感情や執行プロセスへの配慮、他の管理会計手法との併用等が適当である。📄(PDF)

大西淳也・福元渉(2016)「PDCAについての論点の整理」『財務総合政策研究所ディスカッションペーパー』9

PDCAについて、その起源とされている品質管理の観点、経営管理の観点、政策過程の観点からそれぞれ整理し、PDCAについての批判的な議論を踏まえ、暫定的な考察を行う。📄(PDF)

大西淳也・日置瞬(2016)「ロジック・モデルについての論点の整理」『財務総合政策研究所ディスカッションペーパー』8

政府内でのロジック・モデルの流行を受け、その歴史をおさえ、ロジック・モデルの類型を概観する。そして、プログラム評価論との関係を整理し、戦略マップとの比較を行う。📄(PDF)

大西淳也・福元渉(2016)「KPIについての論点の整理」『財務総合政策研究所ディスカッションペーパー』4

政府内でのKPIの流行を受け、KPIの過去の議論を整理し、近年では指標間の関係性の中で考えられていることを概観。📄(PDF)

鶴岡将司・福元渉・大西淳也(2016)「公共事業における費用便益分析等の役割」『財務総合政策研究所ディスカッションペーパー』3

社会的な合意形成をキーワードに、公共事業分野のマネジメント手法として、費用便益分析、公会計(財務会計)、アセットマネジメントを取り上げ、その経緯や役割を概観。📄(PDF)