名前が悪い管理会計
管理会計には、管理と会計というヒトが嫌がる言葉が2つもあります。
このため、管理会計は名前が悪いとよくいわれます。例えば、日本管理会計学会においても、管理会計という名前が…という議論を見聞きしたことがあります。
管理会計という名前を意識して避け、経営会計とか、経営管理会計とかを用いる先生方もおられます。また、マネジメントアカウンティングという言葉を使う先生もおられます。一般に、中小企業の場合には経営会計とされる先生方が多いようです。経営判断と密接にかかわるからだと思います。そうであれば、大きな組織の場合には経営陣と現場との目線合わせ(これをアラインメントともいいます)なども重要となりますので、経営管理会計というのがいいかもしれません。
以上のような言葉の問題はヨコにおいても、管理会計の管理や会計という言葉からは、創造性や新規性がどうにも感じられないとするヒトも多いではないでしょうか。しかし、様々な管理会計手法について詳細をみると、実務において新たに管理会計手法が生み出される段階では、あるいは、これらの管理会計手法が徹底される段階では、創造性や新規性などが強く求められているのです。
実際、京セラのアメーバ経営、トヨタのTPS(トヨタ生産方式)、佐賀大学付属病院のテナント式損益管理、(独)統計センターの工手間システム、国税組織の人日システムなどなど。それぞれに詳細を見ればワクワクするような場面があります。
外部環境の変化、経営側の試行錯誤、現場のプライド。人間臭いぶつかり合い。管理会計はヒトの営みそのものです。そこに管理会計の面白さがあるのだと思います。これは行政組織であっても同じです。数字やPCだけを前にしていてはわからない世界。「うまくやれ」「うまく対応しろ」と現場に丸投げし尻をたたくだけではすまない世界。それが行政にもあるのです。